2014年03月04日(火)
自己分析:自己分析の落とし穴
自己分析。
この作業は就職活動には必要不可欠である。
しかし、巷では「自己分析なんてやっても意味がない」という情報も多く流れている。
そこで、就活で失敗する人の特徴を分析して自己分析のやり方・必要性を考えてみたい。
ある男子学生は、面接で人事担当者から厳しいフィードバックを受けた。
「志望動機が薄っぺらい。もっと自分を出してほしい。」
この“自分を出す”とはどういうことだろうか?
彼がこの半導体メーカーに伝えた志望動機は、以下のとおりである。
「御社は業界ナンバーワンで、独自の技術を持っていて、
多くの人の生活を支える基盤となる部品を作っていらっしゃいます。
私も貴社で人々お役にたてる仕事をしたいと思い、志望しました。」
この志望動機、「人々の役に立てる仕事に就きたい」
という想いは述べているが、どんな人々に、どんな風に、
なぜ役に立ちたいのかという点に全く触れられていない。
また、その想いを実現するためにこの企業が最適だと思った理由も述べられていない。
この男子学生の思考や気持ちといった内面的な情報がほとんど伝わっていないのだ。
彼が言う「人々の役に立つ事」とは、どのようなイメージなのだろうか。
それを知るために自己分析の作業を通じて自分を見つめることが必要になるのだ。
しかし、この学生も自己分析をやっていないわけではなかった。
専門の参考書を購入し、一通りの分析作業を終えたという。
その作業の内容とは、自分の得意・不得意や経験談を箇条書きにしていくというもの。
自己分析の方法としてはポピュラーなやり方だ。
しかし、箇条書きにした自己分析ノートができあがっても、自分の思考や気持ちは見えてこず、
自分の内面を分析することはできなかったらしい。
これが自己分析の落とし穴である。
自分の経験を列挙しただけでは自分の内面的なもの(思考・感情・興味関心・こだわりなど)は見えてこない。
自分の経験をじっくり思いだし、
「なぜ自分はこのような行動に出たのだろう」
「この経験をしている時、何を意識していただろう」
と自問自答する作業が必要なのだ。
自己分析の作業を、「自分の経験を列挙するもの」
と考えていては、たしかに役に立たない。その経験を振り返ることをお忘れなく。
「内定塾」講師 奥田 玲子